第20章 Sweeter than SWEETS
どこかでこの身を消すという選択に身を任せたかった自分。
そんなおいらを傍で見守ってた相葉ちゃん…。
あの時の雅紀の怖さたどれほどだっただろう?
傍にものすごく不安定な奴がいるんだよ?
僕の感じた喪失の恐怖とは根本が違うのはわかってる。
けど…何かを喪う【かもしれない】恐怖っていうのは同じ…だよね。
あの頃…本当に自分が嫌だった。
汚れた自分も…消えたいと思うのにそれができない自分も…。
そうだよ…消えたいと思うのにちゃんと食欲も睡眠欲も、そして…性欲もあったんだ……。
あんなことされて、自分自身すごく傷ついたのに…それでも……。
……性欲はあった。
そんな自分が本当に穢らわしく思えて仕方なかった。
でも…欲はあっても…自らの手でそれを処理することが……出来なかった。
欲望のすぐそばにある禁忌に触れるような恐怖。
欲望に従ったら……今度は自分が奴らみたいな存在になるんじゃないかと思った。
だから…その欲求に従ってはダメだと自分に言い聞かせた…。
だってそんなこと…言えなかった。
それが…病院で…あっても…。