第20章 Sweeter than SWEETS
唇から伝わる翔くんの体温が気持ちいい。
しっとりとした唇が啄むように僕の唇を刺激する。
「んっ…しょ……くっ…ん」
「智くん…大丈夫…。
智くんならちゃんと伝えられるよ?
ね?だから…行っておいで?」
翔くんの気持ちに後押しされてなんか頑張れそうな気がする…。
「あっ、翔ちゃんずるい!
智…私も…。」
ニノの声と共に唇に触れる熱。
背中に回された手からも…。
二人の暖かさが嬉しくて…。
「さ、行きますか?」
唇から体温が離れ、代わりに言葉が背中を押す。
背中を押す手のひらの温かさが勇気をくれる…気がする。
二人が連れてきたのは同じフロアーの反対側の角部屋。
部屋の呼び鈴を鳴らそうとしたその時、ゆっくりと扉が開いた。
「お、ナイスタイミング!
中で雅紀、待ってるよ?」
そう言いながら僕の手を引っ張ったのは松潤。
いきなり引っ張られてつんのめりそうになりつつ相葉ちゃんの部屋に入っちゃった僕。
部屋に入ったのを確認した松潤はそのまま部屋を出ていった。
扉が閉じる僅かな間に『ふたりともあっちでのもう?』っていう潤の声が聞こえた。