第20章 Sweeter than SWEETS
どれぐらい経ったか分かんないけど…自分の気持ちはわかってきた。
「あのね…怖くなった…。
不安になった…、置いてかれるって…」
思ったことが口から溢れた。
「『置いてかれる?』」
翔くんが不思議そうに僕の言葉を繰り返す。
「うん…。
翔くんはほら、キャスターとしてもう10年も仕事してきて、オリンピックとか生放送の司会とか…。
その分野で認められてるし、後輩たちだって後に続いてるじゃん?
ニノはさ、ハリウッド映画でて日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞取ってさ、もう、完全に役者として認められてるじゃん?」
二人の顔を交互に見ながら思ったことを口にする。
普段、無口と言われてる僕だけど…それは心の中にしまいこんでるだけ…。
口に出したら思ってたことが堰を切ったようにこぼれ落ちる。
「松潤はさ、やっぱり嵐のフロントマンだし、僕たちのファンじゃない人達からも人気があるしコンサートの演出もすごいし、人脈も半端ないじゃん?
雅紀もさ、どんどんバラエティーのレギュラーが増えて、冠ももってるし…。
それだけでもすごいのに…。
ここで紅白の司会を単独でって聞いたら…もう…届かないところに行っちゃう気がして…」