第20章 Sweeter than SWEETS
「凄いよね…ほんと。
で、その後大野さんはどう思ったんだろう?
何を思ったんだろう?」
どう思ったか?
何を思ったか?
多分それがモヤモヤの原因、
僕が向き合おうとしなかったところ。
でも逃げ続けるのは無理で…二人の力を借りてようやく向き合える。
僕はあの後…どう思った?
相葉ちゃんに抱きつき『おめでとう!』と言うみんなを見てどう思った?
あの時一歩も動けなかった俺はなんで動けなかった?
ゆっくりとあの時を思い出す。
「…………
怖かった?……んだと…思う………」
やっと出た一言に自分自身が驚く。
そうだ…怖くなったんだ…。
「『怖かった』って何が?
智くんはなにが怖いんだろう?
別に雅紀が失敗することじゃないでしょ?」
翔くんの優しい声。
ニノは隣からそっとぬくもりを伝えてくるようにさっきよりもずっと近くに身体を寄せた。
「大丈夫…あなたが何を思ったとしても誰もそれを否定しないから…。
ゆっくりでいいから…なにが怖かったか…考えてみよう?」
ニノの声が優しく沁み込む…。
手元のビールを喉に流し込みながら考えた。