第20章 Sweeter than SWEETS
「あれからだよね?
雅紀の紅白の司会のこと…知ってからだよね?」
翔くんがおいらの顔を覗き込む。
「うん…あの時からね…なんかモヤモヤしてる」
どうせ隠しきれるわけじゃないから…思ってることを口に出してみる。
「モヤモヤかぁ…。
んじゃ、おじさんのそのモヤモヤを整理していきましょ?」
「だね…そこが原因だもんね。
智くんはさぁ、雅紀がリハの日の夜に俺たちに告げたときに最初どう思った?」
「ゆっくりでいいから思い出してみ?」
二人に促されてあの夜のことを思い出す。
「うーんと…まずすごい驚いてぇ…」
「うん、だよね?俺も、驚いたもん。
和もでしょ?」
「ええ、さすがに予想すらしてなかったので。
今年も井ノ原くんだと思ってたから…」
「わーかーるぅー。
で、智くんは驚いて…。
そこから次にどう思ったの?」
翔くんが僕のこんがらがった感情をゆっくりとほぐすように聞いてくる。
「えーっと…驚いて…凄いなぁって思って……」
そう…凄いって思ったんだ…。
昔、相葉ちゃんが言ってた大きな仕事がついに来たんだって…。