第20章 Sweeter than SWEETS
「こらーおじさんーねーるーなー」
ニノの柔らかい声が聞こえる。
「かーず、おじさんじゃないでしょ?
お兄さんな?
ね、兄やん?」
翔くんとニノのふざけた掛け合いすら心地良い。
「…兄やんって…ちょっとやだなぁ」
「あら?そう?
じゃ智くん、ちゃんと話そうか?」
「ですね?このままじゃ嫌でしょ?
大野さんだってさ?」
二人に言われて…確かにこのままはいやだから…話を聞いてもらうことにする。
とは言え…どっから話していいかわからない。
だって…僕はこのイライラの正体を知らないんだから…。
「何から話したらいいかわかんないって顔してますね?」
そう言うニノに素直に頷いた。
「うん、わかんない…。
自分の気持ちがさよくわかんないよ…」
「雅紀となんかあったの?」
翔くんが隣に座ってビールの缶を手にしながら言う。
「なにか…はない…よ?」
そう答えるけど、正直その辺もわからない…。
「思いっきり疑問系じゃないですか?」
ニノからビールの缶を受け取りながら思わず唸り声をあげる。
「だってぇ…ほんとにわかんないだもん…」