第20章 Sweeter than SWEETS
部屋に付いてるインターフォンが何度も鳴らされる。
そんなに鳴らさなくても…って思いつつ部屋のドアを開けるとビニール袋を下げたニノと翔くんがいた。
「はいはい、お邪魔しますよ」
ニノは勝手知ったるっていう風情で中に入り部屋にある小さなテーブルにビニール袋の中身を置いた。
「智くん、お風呂入り終わったんだ。
ねぇ、髪。
そのままにすると風邪引いちゃうよ?
乾かしてあげるから…そこ、座って?」
「自然乾燥で平気だよ。
それに…ほら明日帰るだけだし」
「『帰るだけ』じゃないでしょ?
帰ってからも嵐さん、お仕事あんだよ?
風邪なんてひいてられないんだから…。
素直に翔ちゃんに乾かいてもらいなよ」
僕の反論をニノが倍返しで返してくる。
まぁそもそも勝てるわけないんだけど…さ。
「ほら、智くんこっち」
いつの間にかドライヤーを手にした翔くんに微笑まれる。
その笑顔に結局動かされて…。
翔くん、基本不器用なのにこういうところとかはすごく繊細なんだよね…。
翔くんの指が何度も頭を撫でるように行き来する。
ドライヤーの風で髪の毛を散らしながら、翔くんの指が踊る。
このまま、この指に委ねて眠ったらこの訳の分からない気持ちは無くなるかなぁ…。