第20章 Sweeter than SWEETS

少しずつ会場が大きくなってキャパが増えてもそれは変わらない。

大ちゃんは間違いなく俺たちの中で一番、ファンサをしてる。

その大ちゃんがあのうちわを目にしてない訳がない。

ねぇ…大ちゃん。

大ちゃんは本当はどう思ってるの？

やっぱり単独司会やるなら俺じゃなくて翔ちゃんの方がふさわしいと思ってる？

それとも…そもそも単独司会ってことがダメ？

俺、大ちゃんに嫌われちゃったのかな…？

みんなと暮らしてもう10年以上の時が流れてる。

最初から順調だったわけじゃない。

あの事件からみんなで抜け出すためにみんなで苦しんで藻掻いて…そこから這い上がってきた。

世間には言えない関係性を持つ俺達だけど…俺たちはそれぞれがそれぞれをすごく大事にしてきた。

その感情に偽りはない。

俺は…大ちゃんが好きだし愛してる。

それは紛れもない事実。

でも…人の想いは同じじゃないのも知ってる。

俺の愛してると大ちゃんの愛してるは同じだけど違う。

俺がそれぞれのメンバーに抱く愛はそれぞれ似ているけど違ってる。

それは大ちゃんも同じ…。

だけど…おかしいかもしれないけど好きで愛してて大事な人なんだ…。