第20章 Sweeter than SWEETS
そのまま始まったコンサート。
もう、この空間にいるときは頭の中は歌って踊って、ファンのみんなと楽しむことしかないから…。
全力で踊って、出来るだけファンサもする。
ステージからもトロッコからもみんなのウチワがよく見える。
『釣って!』『ピースして!』『撃って!』『手、振って』なんていういわゆるファンサービスのリクエストに混じっていろんなメッセージが見える。
もちろん、その中には相葉ちゃん宛に『司会頑張って!』なんていうウチワもあって…。
応援してくれる純粋な気持ちが伝わってくる。
相葉ちゃん…見えてるかな?
コンサートでテンション上がると周りが見えなくなるタイプだからなぁ。
伝わってるといいなぁ…。
そんな風に思うのに…。
なんで僕は…。
アンコールも終わって5人で楽屋に引き上げる。
僕達はこれで終わりだけど…スタッフさんはまだこのあとに仕事があるんだよね…。
衣装を脱いで、スタッフさんに返す。
コンサートのときは基本、帰りも5人で移動。
着替え終わった僕は、みんなの準備が終わるまでソファーに身を預ける。
心地良い疲れに瞼が下がってくる。
このまま寝ちゃおうかなぁ…。
なんて思ったのに上手くいかない…。
あっという間に起こされて移動車に乗り込んだ。