第20章 Sweeter than SWEETS
「えっ?食べるよ!
美味しい?
これね、俺がリクエストしたやつなの!」
相葉ちゃんがまるでスイッチが入ったみたいに動き出す。
「そうなんだぁ…。
フルーツいっぱいで美味しいよ」
そう言いながら食べ進める。
「よかったぁ!
……大ちゃん、あの…さ……」
そう言ったっきり黙る相葉ちゃん。
「ん?どうしたの?」
黙った相葉ちゃんに声をかけるけど…本当は続きを望んでるわけじゃない。
お互いに変な距離を感じてて…まるでヤマアラシみたいだ。
近づきたいのに近づけない…。
少なくとも僕はヤマアラシみたいに針でトゲトゲで…。
なにか言ったら相葉ちゃんの柔らかい心を傷つけてしまいそうで…。
でもトゲトゲの原因が分からない…。
だって…相葉ちゃんのことを大事に思う気持ちには変わりがないから…。
「あっ、うん………。
……いや…なんでもない…。
今日も頑張ろうね!」
そう言いながら笑うけど…その笑顔が硬いのは…きっと僕のせい…。
「そうだね…相葉ちゃんソロでイロイロやるんだから…ケガしないでね?」
「大丈夫だよ!
俺も大ちゃんのソロ、裏で見てるから!」
そう言ってケーキを一口、口に入れる相葉ちゃん。
また沈黙が横たわった。