第20章 Sweeter than SWEETS
「おーちゃーん!
今日はチョコレートケーキだって!
コーヒーも淹れてあるよ!」
相葉ちゃんの明るい声に、ソファに凭れてた体を起こした。
「んー。いま行くぅ」
眠いわけじゃない…体だってコンサート前だからちゃんとアップもしてるから重いわけじゃない…。
重いのは気持ち…。
自分では説明できないもやもやがずーっと心を巣食ってる。
自分じゃもうどうしようも出来ない気がする。
気分転換にってスケッチブックを開いてもダメ。
当たり前だけど釣りにも行けないし…。
結局、解決できない重さに心を支配されてる感覚で…。
だからといってそれはみんなに関係ないことだから最早ルーティーンとなってるスイーツタイムを飛ばすことは出来なかった。
ゆっくりとケーキの用意されたテーブルに行くと相葉ちゃんがコーヒーの入った紙コップを置いてくれた。
「おーちゃん、食べよ?」
「…うん。いただきます」
手を合わせていただきますをしてチョコレートケーキを口に運ぶ。
それをじっと見ているような相葉ちゃん。
「んっ、うまい!」
甘すぎずさっぱりとしたチョコレートクリームに中はダークチェリーやブルーベリー、いちごなどがふんだんに入ってるケーキ。
そのまま食べ進める。
「相葉ちゃんは食べないの?」
ケーキに手を付けず僕を見る相葉ちゃん。
なんだか視線が痛くて思わず声がでた…。