第20章 Sweeter than SWEETS
「ああぁ、もう!」
俺の声が虚しく部屋に響く。
考えろ!考えなきゃ…。
俺は?
俺はどうしたい?
散々考えてたどり着いたのはそこだった。
【俺はどうしたいか?】
俺は…おれは…?
やりたい…やってみたい…。
そう、こんなチャンス、二度とない。
ならばやらないで後悔するより、やって後悔したい…。
俺はリーダーみたいにアートが得意なわけでもないし、翔ちゃんみたいにキャスターも出来ない。
ニノみたいに演技が上手いわけでもなけりゃ、松潤みたいに何かを創り出すこともできない。
なんの取り柄もない俺に降って湧いた機会を逃しちゃいけない…と思った。
一晩寝ないで考えてこのオファーを受けることにした。
正直、どう転ぶかわからないけど…。
それでもやってみたいと…、男として勝負したいと…思ってしまったんだ。
午後からの仕事の前に話そうと思ってチーフに電話する。
「おはようございます、相葉です…」
そう言って切り出すとチーフは事務所に来るように言ってきたので了解して車で事務所に向かった。
最近、赤坂から渋谷に引っ越した事務所。
地下の駐車場に車を入れてエレベーターで上層階に上がる。
偉い人って上が好きなんだなぁ…なんて思えるのは多分、気持ちに余裕があるから。
決断したらなんか肝が据わったというか…。