第20章 Sweeter than SWEETS
…うそだろ?
これ、ドッキリじゃないの?
なんで俺一人へのオファーなんだよ?
だって紅白だぞ?
紅白の司会だぞ?
それを俺一人って…。
「あの…ちなみに紅組って」
ちょっと気になって聞いてみた。
「有村架純ちゃんみたいよ?
引き受けたって聞いてるけど?」
マジか…。
あまりのことに混乱する。
「あの…返事っていつまで…」
「あちらも時間がないみたいよ?
どちらにしても札幌の2日目の前に
発表だって言ってたから…。
あっ、たとえあの子達でも
言っちゃダメだからね?
そこ、わかるわよね?」
わからない…なんて言えないし…。
「1日、時間、ください…」
そういうのが精一杯だった。
突然、降って湧いたことに対処しきれない。
かと言ってこの状況で皆のところには帰れないから…。
送ってくれるというチーフにマンションに帰ると伝えた。
事務所からマンションまでの短い距離でスマホが震える。
緑のアイコンの通知。
3104:『相葉ちゃん今日の帰りは?』
じゅん:『夕飯いる??』
ニノ:『まだ外なら帰りにビールお願い!』
次々と入るメッセに答えないと…。
スマホのディスプレイを見ながらのろのろと指を動かす。
雅:『ごめん、今日遅くなるから…
マンションに行くことにした』
それだけ書いて紙飛行機ボタンをタップした。