第19章 DESPERATE
二宮side
使った皿やフライパンなどを一つ一つ
丁寧に洗う。
食洗機もあるけど二人分だし、
手で洗ったほうが早いし
気分転換になる。
背中に気配を感じたけど…
あえて気づかないふりをした。
O:「和…ごめん。
今回のこと…反省してる。
おいら全然わかってなかった…。
ねえ、みんないつ帰ってくるの?
おいら、
ちゃんとみんなに謝りたい」
背中に智の体温を感じる。
後ろから手が回ってきて
俺のおなかの前に
智の綺麗な手が置かれた。
蛇口をひねって水を止めた。
手を拭ってから智の手の上に
自分の手を重ねる。
「今日中に戻ってくるよ。
まーと潤くんは夕方ぐらいかな?
翔ちゃんもね、夜戻るって」
体をひねって智の顔を覗き込む。
その表情に智の腕の中の体を
くるっと回転させて
その顔を正面から見つめる。
何も言わずに智の唇に
自分の唇を押し付けた。
「そんな顔…するなよ。
わかったから…さ。
智の気持ち」
O:「和…ありがと…」
智の唇が落ちてくる。
そのまま二人でリビングにもどった。
ソファーに座って
いつものようにゲームをする俺。
しばらく俺の画面を
のぞき込んでいた智。
気が付くと肩に感じる重み。
いつもの智の穏やかな寝顔。
【いつも】のようなその表情…。
そう…これがきっと大事なんだ。