第19章 DESPERATE
二宮side
ずーっと一緒にいるから…。
わかってるつもりでいたけど
わかってないことがあるって
改めて思った。
そうだよ、この人、
器用だけど不器用で…。
こんなに作品が続くことも珍しくて…。
いつもきちんと切り替えるために
ある程度のインターバルがあるのに…。
今回はそのインターバルが皆無に近い。
この人の演技への取り組み方を
知ってるんだからもっと早く
気が付いて上げるべきだったんだ。
ごめんね…。
気が付かなくて…。
ごめんね…
一方的に責めちゃって…。
でも今度は教えて…。
一人で海に行く前に。
俺たちもちゃんとフォローするから…。
もっと頼ってよ。
大好きだから…
頼ってくれたらうれしいんだよ?
今までも言ってきたけど…いいよ?
わかってくれるまで何度でも伝えるから。
「智…そのままじゃ寝づらいでしょ?
ほら…こっちに頭、載せな?」
肩にのった智の頭を膝にのせる。
O:「…ん?…かずぅ?もぅ……?」
「まだだから…寝てな?」
ドラマが終わってからも
映画のために切れない髪の毛を
指で梳く。
いつもなら髪形を変えて
気分転換するのにね?
それもできないのも辛いのかもなぁ…。
「忍者…
終わったら切りましょうね?
まぁ私としてはこの長い髪も
好きですけどね?」
みんなが帰ってくるまで…、
このままもう少し二人でいさせてね?
愛してますよ…、智。
綺麗な髪の毛にキスを落として
ゲームを再開する。
これが俺たちの日常だから…。
<End>