第19章 DESPERATE
大野side
おいらのリクエストでお昼ごはんを
作ってくれた和。
N:「出来ましたよ、席について」
両手に皿を持った和が大きな声で
おいらを呼ぶ。
「あっ、ありがとう。
なんか手伝うことある?」
ダイニングに向かいながら聞く。
N:「飲み物、用意してもらって
いいですか?」
「わかったー」
ダイニングに入ってきた和と
入れ違いでキッチンに入るおいらに
和が小さく笑った。
お茶のペットボトルとグラスを持って
ダイニングに戻る。
和の用意してくれた皿にはおいしそうな
オムライスとサラダが載ってる。
「うまそう…」
思わずそう呟いたおいらに
和がドヤ顔をする。
N:「おいしいに
決まってるじゃないですか?
最近、すごい練習してるし」
「そっかぁ…映画…料理人だもんね。
和のお父さんと一緒だね」
N:「まさかこんな形でおやじの仕事を
垣間見ることになるとは
思わなかったよ…。
包丁使うの大変。
まーくんとか
よくやってると思うよ」
「和、包丁、右で持つんでしょ?
指…大丈夫?」
真新しい絆創膏が貼られた指に手を伸ばす。
N:「大丈夫ですよ?
それよりそっちは?
アクションあるんでしょ?忍者」
「うん、あるよ。
トレーニングも少しずつ始まってる」
食べながら答えた。