第19章 DESPERATE
大野side
永遠に思える時間の終わりを告げたのは
扉が開く音だった。
音のした方に首だけ動かすと
そこにはなんだか色々なものを持った
和がいた。
「和ぅ…、ね、これ、取って」
N:「どうしたんですか?
泣いてたの?
顔、グチャグチャですよ?」
おいらの願いを無視するように
全然別のことを言う。
手に持ってたものを
ベッドの傍の小さなデスクに置いて
ゆっくりとおいらの方に近づいてくる。
その顔はにこやかで、
もしかしたら手首のネクタイを
解いてくれるかもしれないと
期待してしまう。
ベッドヘッドに繋いでいたネクタイを
外しておいらの体を抱き起こし和。
「和…これ…」
そのまま手首のネクタイも
外して欲しくて和に向かって手を
突き出すけど、あっさりと無視される。
N:「ほら、こっち向いてください?
ふふ、可愛いお顔が
台無しですよ?」
和の指が顎を掴んで和の方に向かせる。
もう片方の手がゆっくりと
おいらの涙を拭い、
そのあとタオルで顔を拭かれる。
丁寧な手の動きが、
自分の置かれた状況と違いすぎて…。
また、涙が浮かぶ。
N:「なんで泣くの?」
「だって…和居なくなるし…。
一人で…不安で…怖くて…」
N:「今も不安なんですか?
私はそばにいますよ?」
ニッコリ笑う和が怖くて和の腕から
逃げようとした…。