第19章 DESPERATE
大野side
引き摺られるようにして入った和の部屋。
ベッドに押し倒され、
馬乗りされたかと思うと
あっと言う間に服を剥ぎ取られた。
手首には和のネクタイ…。
ぎゅっと結ばれたシルクのネクタイは
簡単にははずれない…。
完全に和を怒らせたんだ…おいら。
抑え込まれた感情が余計に怖さと
和の真剣さを教える。
どうしよう…。
どうしたら許してくれる?
全裸にされて腕は自分の上方に
纏めて括られた状態で
それでも必死に考えるけど
どうしようもなくて…。
エアコンの風が体を撫でる。
なんの音もしない部屋に一人…。
裸でいるという状態が不安を煽る。
このまま和が戻ってかなかったら…?
不安から体を動かすけど
状況は変わらない。
恐怖と同時に感じる羞恥…。
すこしでも隠したくて身を縮める。
自分自身の肌の温度さえも
温かいと感じるほど体の表面が冷える。
「和…、和…。
ごめんなさい、謝るから…
お願いだから許して…。
一人に…しないで…。
傍にいてよ…。
お願いだから…」
一粒、零れ落ちたら止まらなくなる涙。
その涙を拭いたくても
手の自由を奪われてるから
それさえもままならない。
もぞもぞと身じろぎしながら
永遠とも思える時間をひたすら
耐えながら、和が戻ってくるのを
待ち続ける…。
和…助けて…。
お願いだから…。
おいらの願いは…届かない。