第19章 DESPERATE
二宮side
全く反省してるように見えない
智の態度にブチ切れた。
同時に自分にも…。
海に落ちた理由が寝不足って…。
多分、寝不足プラス貧血だろう。
もっとちゃんと見ておくべきだったよ。
この人の普段の行動を考えれば
食べないのなんて
わかりきってたのに…。
家に帰ってこないのも、
単純に映画の撮影のためだと思っていた
自分を呪ってやりたい。
怒りの感情のままに引き摺るようにして
智を自分の部屋に連れ込み、
勢いのまま、ベッドに突き飛ばした。
普段の自分ならこんなこと出来ないけど
火事場の馬鹿力ってやつだと思う…。
突き飛ばした大野さんの顔を見る。
O:「和?和、なにするの?
ごめん、謝るから…機嫌直して…」
ベッドの上で身を起こしながら
智がこの期に及んでずれたことを言う。
「機嫌なおす?
じゃぁなんで私が怒ってるのか
あなた、わかってるんですか?」
O:「和…。
おいらが内緒で行ったから
怒ってるんでしょ?」
ほんと、わかってない…。
「あなた…どこまで馬鹿なんですか?
ええ、確かに黙って釣りに
行ったことは許しがたいですよ?
私たちとの約束をないがしろに
したんですからね…。
でもね…なにより許せないのは…。
あなたが自分ことを
全然大事にしないことですよ!」
俺の迫力に身体を硬直させた智。
その身体を押さえつけるように
馬乗りになった。