第19章 DESPERATE
大野side
家に戻ってきて、和に手を引かれて
リビングのソファに座らされた。
和から受ける圧がすごくて俯いたまま
じっとしてた。
そんなおいらの頰を和の子供みたいな
手の平が包み込む。
N:「…怒らないから…話して?」
じっとおいらを見つめる和の目から
逃げられない…。
もう…だめ。
降参するしか…なかった。
「和…ごめん…。
落ちたのは…おいらが悪いんだ。
ちょっと寝不足気味だったの…。
それで船の上でくらっとして…。
手すり掴んで
持ちこたえようとしたけど…。
支えきれなくて…ドボンって…」
N:「寝不足?クラっときた?
どういうことですか?
もっとちゃんと
説明してください!」
和の語気が強くなる…。
ほら…やっぱり怒るじゃん…。
でもここで逆らったらもっと怒られる。
それがわかってるから…
言わざるを得ない。
「あの…ね、ほらドラマ終わってさ
今、映画とコンサートと
レコーディングとって
すごく忙しいじゃん?
で、頭がグチャグチャになるから
整理したくてつい…。
アトリエ篭っちゃって…」
N:「で?
もしかして全然寝てないとか?」
ドスの効いた声で短く確認してくる和。
その通りだから頷くしかなくて…
頷くと、キッと睨んでくる。