第19章 DESPERATE
二宮side
本人は隠そうとしてるんだろうけど…
隠れてないから…。
黙ったまま、俺の質問に答えない智。
このまま根比べをしても構わないけど
チーフだって暇じゃないし…。
「チーフ…、
とりあえず理由もわかったし
さすがにもうこんなこともしないと
思うから…。
この人、連れて帰っていいですか?」
チ:「そうだな、大野も昨日の今日で
疲れてるだろうし…。
帰っていいぞ。
上には俺から伝えておくから…。
なんかあったら俺に連絡な?」
「はい、わかりました」
O:「…すいませんでした…
以後、気をつけます…」
頭を下げた智の横で俺も頭を下げる。
チ:「頭あげなよ。
ほんと、心配したんだからな?
お願いだから俺達に
お前の趣味を
禁止させるようなことは
しないでくれよ…。
俺達だってそんなこと
したくないんだぞ?」
そんなチーフの言葉に智は再度
頭を下げた。
それを見てひとつ、頷いたチーフは
空気を変えるみたいに明るい声で
聞いてきた。
チ:「二宮、帰りどうするんだ?」
「家に帰ります。
もちろん、智も連れて帰ります」
俺の答えにチーフは思案顔で
俺達を見た。