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しあわせはここにある【気象系BL小説】

第19章 DESPERATE


二宮side


S:『智くんが目覚めたら連絡して?

  携帯でもSkypeでもいいから…。

  時差とか気にしないでいいから…』


翔ちゃんの気持ちも
十分にわかるから…。

わかったって約束して電話を切った。


翔ちゃんと繋がってたスマホを
手のひらに包んで薄暗い廊下を歩く。

部屋に戻っても何も変わりはなくて…。


相変わらず眠る智のほっぺたを
抓ってみる。


「そろそろ起きなさいよ…」


聞こえないぐらいの小声で囁く。


「それとも…
 キスでもしたら起きますか?」


どっかのお伽話みたいに口づけたら
眠り姫は目を覚ますだろうか?

翔ちゃんの声を聞いて
落ち着いたはずなのに…。

やっぱりこの部屋だから…。
どれだけ雰囲気が変わっても
消灯後のこの部屋は
まるで昔に戻ったみたいで…。

そんな中で智が眠ってる。

あの時の不安が蘇るようで
落ち着いていられない。


目を覚ましてくれたなら…
名前を呼んでくれたなら…
こんな不安、すぐになくなるのに…。


「智…起きて?」


耳元で囁き、唇を落とす。

乾いた唇はすこし塩っぱくて…。

本当に海に落ちたんだって…
思い知らされる。

無事で良かった…。

体温を感じられる嬉しさに
もう一度唇を落とす。

今度は舌で唇をなぞってみる。

薄く開く唇に舌を滑らせた…。




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