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しあわせはここにある【気象系BL小説】

第19章 DESPERATE


二宮side


どうしてもこのまま帰るのは嫌で…。

そんな俺にそんなことお見通しだと
言わんばかりでチーフが手配した
ベッドを看護師さんが入れてくれた。


そのベッドに横たわり、
眠り続ける智を見る。


穏やかなその寝顔に言い知れぬ
怒りが湧いてくる…。



だいたいどういうことですか?

海に落ちたって…。

釣りに行ってたって…。

私たち誰も聞いてないですよ…?



……約束したはずですよね??



私達の約束ってなんなんでしょうね?

なんで守ってくれないんですか?

私達の約束って、
そんなに軽いものですか?


…なんで貴方こんなところで
寝てるんですか?


智の顔を見ながら、
どんどんと自分の心が黒いものに
侵食さてれいくような気がして…。

悔しいのか悲しいのかも
わからなくなって…。

ただ涙が出た。

カーテンの隙間から細く入る
街灯の灯りに照らされた智の顔。


今日の日差で灼けたんだろう…
少し赤黒くなってる。

そんな小さなことが
自分を苛立たせる…。


枕元に置いていたスマホが
震えながら仄かな光を発する。


画面を見て、タップすると
翔ちゃんからだった。

短く返信して場所を移動する。

夜の病院は
気が狂いそうなほど静かで、
時折聞こえる足音や機械の音が
変な緊張感を煽ってくる。

誰もいない外来ロビーに着くと
タイミング良くスマホが震えた。




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