第19章 DESPERATE
二宮side
冷静に言うチーフを睨みつける。
チ:「そんな怖い目で睨むなよ…。
あ、悪いけど車、
用意しといて?」
冷静さは口調でチーフが
目の前のスタッフに指示を出す。
ス:「はっ、はい!わかりました!
車、用意してきます!!」
そう言って勢いよく出ていくスタッフを
見送るしかできなかった。
チ:「今日の打ち合わせ、
もう切り上げから…。
大野が海に落ちたって連絡が
入ったって…。
そんな顔すんな。
すぐ助けられて、
今いつもの病院に
搬送されたって言うから
これから行くけど…来るだろ?」
チーフの言葉に
首がもげるんじゃないかという
勢いで頷く。
海に落ちたって…。
貴方、また釣りに行ってたの?
今、大事な時期なんじゃないの?
なんで…。
なんで、そうなんだよ!
翔さんは海外に取材に行ってる…。
まーくんはバラエティーで、
潤くんは映画でそれぞれ地方にいる。
今、俺しか東京に居ないのに…。
不安だった。
こんな時に一人なのが
すごく不安だった。
チ:「二宮?行くぞ?」
立ち尽くす俺にチーフから声がかかる。
歩き出すチーフを追いかけ
そのまま用意された車に乗った。
不安で不安で…。
その気持ちを打ち消したくて
車窓に映る景色をただ睨みつけていた。