第19章 DESPERATE
二宮side
『打ち合わせ中すいません!
大野さんが!』
血相を変えた事務所の人間の様子に
血の気が引く。
チーフが飛び込んできたスタッフを
制してそのまま廊下に出た。
なに?なにがあったの?
打ち合わせ相手がいるのにも関わらず
そんなことも忘れて
自分も廊下に飛び出す。
「なに?なにがあったの?
ねえ、大野さんになにがあったの!」
チーフマネージャーに掴みかかる勢いで
聞く俺に、チーフが諌めるような顔で
『二宮、落ち着け』って言うけど…。
これが落ち着いていられるか!
無言で首を振る俺を飛び込んできた
スタッフに預けると、
チーフは元の部屋に入っていく。
俺はスタッフに手を引かれて
別のミーティングルームに入れられた。
ス:「ちゃんと説明しますから…
落ち着いて下さい」
置いてあるポットからいつ淹れたか
わかんないコーヒーを紙コップに入れて
俺の前に置きながらそう言うスタッフ。
馬鹿じゃないかと思う…。
血相変えて部屋に入ってきたのは
お前だろ?
ただ事じゃないからあんな顔、
してたんだろ?
なのに…落ち着けだと?
わけの分かんない怒りが湧いてきて
目の前のスタッフにぶつけたくなる。
「おまえなぁ!
知ってるんならっ…」
チ:「二宮!そこまでにしろ!
ちゃんと…説明するから…」
タイミングを図ったかのような勢いで
入ってきたチーフマネに止められた。