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しあわせはここにある【気象系BL小説】

第19章 DESPERATE


二宮side


その話を知ったのは
数年前のコンサートのMCの最中。

あの時期はみんなそれぞれ忙しくて
あの人の誕生日も一緒に過ごせなくて
みんなそれぞれにメールしたのに
珍しく返信が帰ってこなかったんだ。

まぁ、コンサート中に
サプライズするつもりだったし
そんなに気にしてなかった。


ところがだ、そのサプライズで
メールが返って来なかった
理由を知った…。


その瞬間は驚きのほうが大きかったけど
後からフツフツと湧いてきた怒り。

それまでだって賛成じゃなかったけど
あの日から本気で嫌いになった。

【釣り】という行為そのものが…。


サプライズで祝われたあと、
トークの流れから返って来なかった
メールの話になった。


それに対してこの人は
なんでもない、むしろネタとして
美味しいくらいの感覚で
サラッと恐ろしいことを口にした。


海に落ちたと…。

しかも冬の夜の海に落ちたと…。


ステージも観客席も息を飲んだ
その出来事を事も無げに話す
智の顔を今でも忘れられない。


一歩間違えれば
この人を私たちは失ってたのに…。


携帯はその時水没させたから
アドレスわかんなくなったけど
どうせ誕生日にメールが来るから
それを保存すればいいだろうって
その程度の感覚…。

コンサート終了後、
説教大会になったのは言うまでもない。








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