第18章 Will never let you go…
櫻井side
「額に入れて飾りたいなぁ…」
O:「そんな、大層なもんじゃないよ?」
N:「いやいや、何言っちゃってるの?
額に入れなきゃだめでしょ?」
A:「そうだよ、
大ちゃんが描いてくれた絵だもん」
M:「ちょっと知り合い当たってみる!
口が固くて、技術のある業者、
探すから!」
潤が今にも電話しそうな勢いで言う。
O:「そんな…そこまでしなくても…
どうしても入れるなら
普通に額縁、売ってるから…。
そんな大袈裟にしないでよ…」
何とも言えない表情で言う智くんに
勝てるわけはなく…
結局、市販の額に入れるってことで
決着がついた。
智くんは大袈裟って言うけど…
俺たち、それほど嬉しかったんだ。
後日、取り寄せた額に入れた絵は
最初は自分たちの部屋に
それぞれ飾ってたんだけど…。
やっぱり全部並べて見たいっていう
気持ちとあとね、
ちょっとデリケートな事情で
オーディオルームの壁に並べた。
凝り性の潤が智くんが居ないときに
業者を入れて照明工事をしたおかげで
オーディオルームはすっかり
ギャラリーのようになった。
その壁の真ん中には大きな空間が
開けてあった。
左右対称に置かれた俺たちの絵。
その真ん中に飾られるべきもの…。
N:「翔ちゃん、顔!」
「へ?」
N:「にやけ過ぎだから…」
その時を思うとどうしても
にやけるのを止められず
こうやってみんなから何度となく
突っ込まれていた。