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しあわせはここにある【気象系BL小説】

第18章 Will never let you go…


櫻井side


ゆっくりと考えて言葉を選びながら
言葉を重ねていく智くん。

ずっと抱えていた葛藤を
ある程度だけど
昇華したんだって思った。

でもきっと…
ある程度なんだろうな。

だって…左側の半分…。


『表の顔』って一言にも
表れてた気がする。


ねえ…隠した左半分には
どんな表情を描いていたの?

そして…なんでそれに
白を重ねてしまったの?


智くんの顔をそっと見てみたけど
そこから読み取れるものはなかった。


人の顔は右と左がそれぞれ微妙に
違っててそれぞれに意味があるらしい。

でも、そんなのはどうでもいい。

智くんが自分の意思で見せた右顔と
隠した左の顔。

その意味を智くんの表情を見ながら
考える。

俺たちはこの人の表の顔も裏の顔も
過去も未来も
見ているし見ていくから…。

そう信じて進めばいい。

隠した左の顔に涙が流れているなら
それを拭うから…。

そして、笑顔にしてみせるから…。


M:「ねえ、この絵、大阪で飾るの?」


O:「みんなの絵は飾らないよ?

  それは人に見せたい絵じゃ

  ないから…。


  みんなが見てくれたら…

  それで十分」


N:「え?ってことは…、

  これもらっていいの?」


O:「うん、貰ってくれる?」


A:「やったーー!!

  すごい嬉しい!絶対大切にする!」


嬉しそうにしてるみんなに
俺も笑顔になった。




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