第4章 悪い夢 side O
先生が出て行ったあとの部屋で
彼女は俺たちに言った。
事:「大野くん、無理はよくないわよ。
もっと、仲間に頼りなさい。
もちろん我々にもね。
確かに事務所にとって
タレントは商品であるけど…
その前に大事な社員よ。
今回の件はそもそも我々がきちんと
社員を管理できなかったことにあると
思ってるの。
あなたのせいじゃない。
責任なんて感じなくていいの。
ごめんなさいね、
もっと早く伝えるべきだった。
結果的にあなたを
余計に苦しめたわね。
櫻井くん、二宮くん、相葉くん、
松本くん、あなたたちにも
申し訳ないことをしたわ。
大野くんのこと、頼むわね」
小さく頭を下げると帰っていった。
部屋に残った俺たち。
とりあえず同居の件は
クリア出来たみたいで安堵した。
俺はホッとして
椅子からしばらく動けなかった。
N:「とりあえず、帰りましょうか?」
A:「そうだね。
リーダーの家経由で
翔ちゃんちだよね?」
M:「じゃ、俺、帰る手続きしてくるから
リーダー、着替えて準備しといてね」
さっさと話を進める、年下3人。
と、翔ちゃんからうめき声があがる。
S:「おれ、先戻るわ。
部屋、汚なすぎるから
ダッシュで掃除してくる。
智くん、後でね…」
そう言って本当に走って帰っていった。
しばらくして俺たちは本当に
同居を開始した。
俺はその後も不安定になることがあったけど
その度にメンバーに助けてもらってきた。
薬も徐々に減らしていくことが出来た。