第18章 Will never let you go…
二宮side
沈黙を破ったのは意外にも智の声。
O:「あのね、もう一つ…
見てほしいものがあるんだ」
柔らかく笑いながらいう智に
みんなの視線が集まる。
すこし照れくさそうにしながら
別の場所に置かれた
布のかかったキャンバスの前に立った。
O:「こっちは翔くん、その隣りが和、
で、雅紀と潤くん…」
キャンバスを指しながら
俺たちの名前を呼ぶ。
S:「これ?」
O:「うん。開けて?」
翔ちゃんだけじゃなくて
俺たちの顔を見ながら言う
智の言葉に従うように
俺たちは言われたキャンバスにかかった
布をゆっくりと剥ぎ取った。
現れたのは…智の自画像と
同じようなタッチの俺たちの顔。
S:「……すごい」
A:「これ、俺…だよね?」
M:「……」
「智…これ…」
みんなの声でそれぞれのキャンバスに
描かれた絵がわかった。
一言呟いたまま立ちつくしてる。
潤くんに至っては声さえ出さずに
キャンバスを凝視している。
言葉少なな俺たちに不安そうな顔の智。
違うよ…人間ってさ感動しすぎると
声が出なくなるんだよ…。
翔ちゃんはすこし後ろに下がって
多分並んだ4枚の絵を纏めて見てる。
まーくんが動いたと思ったら
智のことを抱きしめていた。
A:「大ちゃん!すごい!
すごいよこれ!!」
ぎゅっと抱きしめて智に全身で
喜びを伝えるまーくん。
その素直さがすごく羨ましかった…。