第18章 Will never let you go…
櫻井side
雅紀と潤が来るまで
俺はリビングのローテーブルを借りて
取材してきた内容をまとめてた。
ニノは相変わらずゲームに夢中で
智くんはドラマの台本を見てる。
三者三様。
誰も喋らないのに居心地はいい。
賑やかに喋ってる時も楽しいけど
沈黙も苦にならない。
これは俺たちが作ってきた
絆があるからだと思う。
長い沈黙を破ったのは
突然鳴ったインターフォンの音。
念のためにモニターを確認した
智くんがふんわりと笑う。
玄関に向かったニノに
小さく合図を送ると間もなく
雅紀の元気な声が聞こえてきた。
A:「大ちゃん、お待たせー
今日のお仕事、終わったよ!」
勢い良く入ってきた雅紀が
智くんのもとに一目散にやって来て
ぎゅっと抱きしめる。
そんな雅紀に身を任せる智くん。
M:「まー!
そんなにぎゅうぎゅう力入れて
抱きついたら智が苦しいだろ!」
嬉しそうな顔で
智くんに抱きつく雅紀を潤が牽制する。
潤も抱きつきたいんだろうなぁ。
A:「いいじゃん!充電中なの!」
M:「そんなのニノでやれよ!」
A:「やだ!今日は大ちゃんなの!」
結局…。
潤に負けた雅紀がすこしいじけた顔で
智くんを離した。
M:「絵の完成おめでと。
約束、覚えてれたんだ?」
O:「うん。もちろん、忘れてないよ。
みんなにね…見てもらいたくて…。
ようやく出来たの…」