第18章 Will never let you go…
大野side
突然鳴り響いたベルの音に体が跳ねた。
「え?」
思わず出た声に我に返る。
音の発信源はかなり古い目覚まし時計。
潔いまでにベルの音を鳴らす
この目覚ましは昔からの愛用品で…。
一人で起きなくちゃいけない
マンションでの必需品でもある。
集中しすぎると時間を忘れちゃって
みんなを心配させるから保険のために
セットしておいた目覚まし。
やっぱりかけといてよかった。
放りっぱなしにしてたスマホに
目をやると着信を知らせる点滅が…。
指を滑らせ、
いつものアイコンをタップする。
M:『お疲れさま!
夕飯アンケート!
なに食いたい?』
潤くんの一言で始まったトークは
追いかけるだけで面白い。
多分、みんな仕事や作業の
合間合間に答えてるから時間も
会話も微妙にチグハグで
最後に潤くんがキレた。
M:『もう、いい!
勝手に決めるからな!』
そこからは潤くんの
ご機嫌取り大会が始まって…。
それを読んでしこたま笑った所で
そろそろ帰るって書き込んだら
ニノが迎えに来るって…。
N:『いいですか?
いい子で待っててくださいよ?』
いつもの口調でそう指示したあと
ニノが映画でやった
黄色い超生命体が飛んでくる
スタンプが送られてきた。
まぁ声はニノじゃないんだけどね?
その辺は相変わらず事務所が
許可しないらしい。
でもそんな堅さが僕たちを
守ってるんだと思わざるを得なかった。