第18章 Will never let you go…
大野side
目線をずらすと潤くんに渡された袋。
渡されたときに言われたことを
思い出して袋の中身をテーブルに出す。
ランチボックスに入ってたのは
サンドイッチ。
そしてスープジャーに入っている
カボチャのポタージュ。
メモが入ってて、
『お疲れ様。
スープはレンジで温めてね!
無理はすんなよ?』って。
短いメッセージなのに
手書きの文字が凄く暖かくて…
そのメモを日記に挟む。
書いてあった通り
温めたポタージュと一緒に
サンドイッチを頬張る。
優しい味…。
自分がいかに
恵まれているかを実感した。
窓の外は陽が落ちて夕闇が広がる。
絵の具が落ち着くまで別の部屋で
ライブのソロの練習をする。
マスクマジックの部分は
ここではできないからダンス部分を
重点的に練習をする。
気持ちが…想いが…
わずかでも届くように…。
たくさん傷付けてしまった
全ての人たちに…
少しでも気持ちを届けたいと思う。
そんな風に思えるようになったのも
皆のお陰なんだ…。
あの時、きちんと出来なかった分、
今度こそちゃんと伝えたい…。
ごめんなさい…。
それでも見捨てずに僕を見てくれて
応援してくれてありがとうって…。
言葉で伝えられないから…
せめて僕が伝えられるもの…
歌とダンスで伝えたいんだ…。
独りよがりかもしれないけど…
それでも伝えたいと思うんだ…。