第18章 Will never let you go…
松本side
ふんわりと笑って言う顔には
もう迷いなんてなかった。
やっぱり強いわ、この人。
そう思わずにはいられなかった。
「そっかぁ、よかったね!
それ、大阪に出す新作でしょ?」
O:「うん、そのつもり」
「完成したら…見せてくれる?」
O:「…うん。
見てほしいなぁ。
潤くんにも…皆にも…」
「やったー!約束だよ?
楽しみにしてるからね?」
O:「そんな期待されると…。
ハードル、あがっちゃうじゃん」
そう言うけど…
すごいいい笑顔してるよ?
きっと、いい絵が出来るね?
その後、リビングに降りてきた
翔さんと話ながらのんびりした時間を
過ごしていた智さん。
「あっ、もしかしてもう出掛ける?」
部屋着から着替えてきてたから
声をかけるとこくりと頷く。
「じゃ。これ持ってって?」
紙袋に入れた水筒とランチボックス。
中身を見た智さんと目が合う。
O:「潤くん…これ」
「飲み物と軽くつまめるものね?
それだけでもいいから食べて?」
集中すると寝食を忘れる人だから…。
O:「うん、ありがとう。
頑張れそうだよ、おいら」
小さな鞄を手に家を出ようとする
智さんを翔さんが追いかける。
S:「智くん待って!送るから…」
いつものように智さんに甘い翔さん。
でも見ていてほっとする。
ここが俺のホームなんだって実感する。
そのホームを絶対に守ってみせる。
その手を決して離さないと決めたから。