第18章 Will never let you go…
二宮side
目の前で繰り広げられたのは
圧巻の壁登り。
けしかけたのは俺たちだけど
まーくんがものすごい集中力と体捌きで
ぐんぐんと登っていく。
障害も高さも全く気にならないと
言わんばかりのその登りように
目を奪われる。
智と下でコース取りを
話すつもりだったのに
二人してそれを忘れるほど凄かった。
上からひらりと降りてきたかと思えば
智にタッチする。
その智もまーくんの勢いを削ぐことなく
職人的な緻密さで
こちらもどんどん攻略して
あっという間にクリアしてしまった。
天の声が最速タイムだと叫ぶ。
そうだよね、
こんな早いの見たことないよ。
隣にいるJが
呆気にとられた顔をしている。
翔ちゃんは大声で笑いながら
二人に拍手してた。
S:「雅紀の執念だな、あれ」
M:「ほんとにパーフェクトだよ。
しかも最速って…。
なんも言えないじゃん」
マイクに拾われないように小声で話す。
「あんなの見せられたら
今夜は諦めるしかないじゃん…」
S:「仕方ないな、ニーノ?」
「ふん!その代わり明日は絶対、
私ですからね?
そこは、絶対譲りませんから!」
きっちりと宣言しておかないとね?
結局、この日の収録は俺達が勝って
気分のいいまま家に帰った。
智と寝れないなら
早く寝る意味もないからこの日は
後輩を巻き込んでネットゲームに
集中することにした。