第18章 Will never let you go…
大野side
君の指がそっと僕の髪に触れる。
髪の毛を梳くように
君の指が僕のことを撫でる。
それがすごく気持ち良くて…。
つい笑っちゃうんだ…。
それを見てるんだよね?
S:「おはよう…智くん…」
柔らかい声が聞こえて…
それにつられるように目を開けるんだ。
「ん…おはよ…しょぅ…くん…」
僕の声に応えるように
翔くんの唇が降ってくる。
S:「そろそろ時間だから…起きて?」
「ん…起きるよ…」
この時間が幸せで
このままもう一度微睡みのなかに
戻りたい気もするけど…。
ドアの開く音が聞こえて
誰かが入ってくる。
N:「智、翔ちゃん、朝だよ?
今日、みんなで収録だからそろそろ
下に降りてきて?」
「ん、かず…おはよ」
N:「はいはい、おはよう、智。
ちゃんと寝れた?
翔ちゃんに蹴飛ばされなかった?」
僕の頭に小さなキスを落としながら
からかうように聞く和に
翔くんが抗議してる。
思わず笑っちゃった僕に翔くんが
膨れっ面で抗議する。
僕たちだけが見れる表情。
10年以上の時間をかけて作ってきた
この空気は簡単には壊れない…。
毎日、それを実感する。
…だから、僕は決して離さない…。
喩え強欲と謗られようと…
離しちゃいけないと
知ってしまったから…。