第18章 Will never let you go…
二宮side
まーくんのジェスチャーに気づいたのか
本当に音を立てずに
翔ちゃんと潤くんが入ってくる。
M:「寝ちゃった?」
小声で聞いてくる潤くんに
まーくんが一つ頷く。
そっと入ってきた翔ちゃんが無言で
智を撫でる。
すごく穏やかな顔で智を見る翔ちゃん。
S:「雅紀、そのままじゃ
お前が休めないだろ?
智くんをそっちに
寝かせてあげて?」
翔ちゃんの智に対して見せる
激しいまでの独占欲が
鳴りをひそめてる。
思わず翔ちゃんの顔を見たが
その穏やかさは
さっき智を撫でてた時と変わらない。
翔ちゃんが大人になった…。
なんでだかわからないけどそう思った。
A:「そうしたいんだけど…
足、痺れて立てない…」
まーくんがそう言うと
一瞬、翔ちゃんを見た潤くんが
腕を伸ばした。
宝物を持つみたいにゆっくりと
智を抱き上げ綺麗にベッドメイクした
マットレスの上にゆっくりと横たえる。
穏やかに眠る智…。
苦悶の表情を見せることなく
涙を浮かべることもない。
当たり前のことなのに嬉しくて…。
それは俺だけじゃなくて
みんな一緒で…。
A:「もう…大丈夫だよね…」
M:「うん、大丈夫だと思うよ。
気持ち良さそうに寝てるもん」
「大丈夫だよ、ダメなら…
何度でも掬い上げればいいんだから」
そんな俺たちを翔ちゃんが眺めてる。
ようやく訪れた平穏に
ほっとした俺たちはそれぞれ
智の体温を感じながら
気がつくと眠りに落ちていた。