第18章 Will never let you go…
二宮side
指を埋めていた髪の毛に湿り気が
なくなる前に眠ってしまった智。
その寝顔はすごく綺麗で穏やかで…。
この人の背負ってた重い荷物が
下りたんだと思えた。
「また、お前なんだ…」
ちょっと気付いちゃったから…
恨むわけじゃないけど
思わず口をついた。
A:「へ?なに?なんか言った?和?」
俺の呟きに
わかんないって顔のまーくん。
「また、智のこと抱っこしてんじゃん…
ずるくない?」
理不尽と言えば理不尽だけど
思わず言ってしまった。
A:「ごめん…。
でも、たまにはいいでしょ?」
謝りつつも開き直ったまーくん。
思わず殴ってやろうかと思ったけど
智の小さな声が聞こえて
思わず動きを止める。
「?寝言?」
A:「かな?
いい夢見てるならいいけど…」
そう言って顔を曇らすこいつを見たら
なんかもう、どうでもよくなって
祈りを籠めるように
智の髪の毛に潜らせた指を
優しく動かす。
まずは今夜…
ゆっくりと休めるようにと…。
しばらくして部屋の扉が静かに開く。
その扉に向かってまーくんが
唇に人差し指を当てる
ジェスチャーする。
大雑把で抜けてそうな相葉さんだけど
実がすごく気が回る人だから…。
寝ている智を起こさないように
細心の注意を払ってる。
こういうところが敵わないと思うんだ。