第18章 Will never let you go…
大野side
横から僕を抱き締める和。
反対側から別の腕が伸びる。
顔なんて見なくて分かる。
潤くんの香りが僕を包む。
M:「ありがとう…」
「……え?」
予想外の言葉に思わず潤くんを見る。
僕を抱き締める腕に力が入る。
M:「ありがとう、智さん。
俺たちを頼ってくれて…
声をあげてくれてありがとう…。
怖かったんだ…壊れちゃいそうで
居なくなりそうで…。
でも…掴むことも縛ることも
できなくて…。
だから…ありがとう。
これからもずっと傍に…いて?」
僕の背中に廻った手が震えてる…。
僕がこんなに不安にさせてたの?
「ごめん…。
潤くん、ごめんね。
僕…」
M:「いいから…。
言葉だけじゃなくて
ちゃんと伝えるから…受け止めて?
で、俺にも教えて?
智さんの想いを、気持ちを教えて?」
素直に頷くと潤くんの手が僕の頭を
ポンポンと優しく撫でる。
A:「大ちゃん?ね、俺にも顔を見せて?」
雅紀の声に顔をあげる。
そこにはいつもの明るく優しい
笑顔があった。
目元に皺をよせてくしゃくしゃって笑う
この笑顔にどれ程助けられてきただろう?
A:「大ちゃん、
たくさんたくさん頑張ったね?
辛かったよね?苦しかったよね?」
いつの間にか潤くんの腕から放され
雅紀の腕に包まれていた。