第18章 Will never let you go…
大野side
ちゃんと色々説明しようと思ったのに…。
僕の口から出たのは「抱いてほしい」という
身勝手で恥知らずな一言だった。
M:「智…さん?」
A:「大ちゃん?」
びっくりした顔で潤くんと相葉ちゃんが
僕を見る。
N:「智?その…いいの?」
ニノが僕にそう聞く。
僕は頷いた。
「専務から…聞いたでしょ?
あの子がしたこと…」
女性から襲われかけるという
屈辱的な体験があの記憶をにリンクして
翔くん達からでさえ、接触されることに
恐怖を覚えるようになった。
翔くん達なら大丈夫だってわかってるから
そばに居れば身体も心も反応するのに
今度はバレることの怖さが加わって
もうどうしようもなくなった。
でも…怖がってばかりじゃ進めない。
いつまでも立ち止まっていたら
ダメだってわかってるから…。
散々考えてこれしか思い浮かばなかった。
あの時…最後の最後に
あの記憶を払拭してくれたのは
4人の想いだった。
翔くんも和も雅紀も潤くんも…
それぞれに僕に沢山の愛情をくれた。
そのお陰である程度は傷は癒えたけど…。
どうしても大勢の男に囲まれる状況だけは
克服できなかった。
それを…
克服できたのもみんなのお陰だった。
みんなが教えてくれたんだ。
怖くないって…大丈夫だって…。
それからずっと僕は
みんなの愛情に包まれてきた。
それがいつの間にか当たり前になっていた。
それはとんだ奢りだと思う。