第18章 Will never let you go…
大野side
もうどうやって涙を止めたらいいか
わからなくて
子どものように泣き続けたせいで
手足も痺れてきた、
でも…
相葉ちゃんの暖かさに包まれているのは
すごく心地よくて…。
助けてって声に出さなくても
受け止めてくれるその腕に縋りたくなる。
どれぐらいそうしてたかは判らないけど
自分の周りが明るくなった気がして
相葉ちゃんの胸からそっと顔をあげた。
S:「雅紀?大丈夫?なにかあった?」
A:「なんにもないよ?」
相葉ちゃんの声に重なるように
翔ちゃんの足音が聞こえた。
なにも言わずに僕の髪に触れる手。
S:「じゃ、下に降りよう?
智くんも…お腹空いたでしょ?」
僕が泣いていたことなんてお見通しだろうに
何事も無かったか如く、
僕の背中に手を回す。
その手が暖かくて…また泣きそうになって
弱い自分が嫌になる。
でも、そんな自分を守ってくれる皆。
その皆のことを思ったら
自分を粗末にすることもまた罪に思える。
ダイニングに並ぶ食事は美味しそうな
湯気をあげていた。
皆がいつものように席につき
ワイワイ言いながら食べる食事。
一人で食べていたときは
どんなものを食べても
まるで砂を噛んでるようだったのに…。
みんなの話を聞きながら
ちょっとずつ摘まむ僕に
みんなが向ける視線はやわらかく、
甘かった。