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しあわせはここにある【気象系BL小説】

第18章 Will never let you go…


大野side


しーんとした部屋。
その静かな空気に押し潰されそうになる。

静粛が怖かった。

さっき見た…
いや、最近何度も見ているあの夢…。

音のない部屋はまるであの夢の中みたいで
恐怖で震えそうになる。

そっと床に足を降ろす。

フローリングの冷たさを感じる。
冷たいと感じる感覚がこれが現実だと
教えてくれる。

灯り一つない薄闇に支配された部屋。

暗いのが怖いなんて子どもみたいだけど
早く出なくちゃって思った。

自分でもわかる。
まだ、熱がある…。

それでも…
いつもよりもずっと重い身体を動かして
ここを出なくちゃと思う。

自分の部屋なのに、一人でいるのが怖い。



静かな部屋に幽かに音が混じるのに
気が付いたのはその時だった。。

そして射し込む一条の光。

柔らかい声が光と共に耳に響く。


A:「大ちゃん?まだ、寝てる?」


「まさ…?まさき!まさき!」

控えめなその声に縋るように声をあげた。

その姿を存在を確認したくて…。

足が縺れるのも構わず
相葉ちゃんに向かって手を伸ばす。

転びそうな僕を
相葉ちゃんが腕の中に納める。

身体に感じる体温に安心して
そのまま、雅紀のシャツを握り締めた。

涙が零れる。

凍り付いた心が溶けていくように…
涙がとまらない。

廊下の光越しに見えた相葉ちゃんの顔は
驚いたような顔だったけど…
そのまま何も言わずに
ずっと抱きしめてくれた。




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