第18章 Will never let you go…
大野side
真っ白なカンバスが
プレッシャーになりはじめたので
今日はツアーの振り付けの確認をしていた。
体を動かしていれば、
その間は余計なことを考えずにいられる。
メールに返信しない僕に、
心配になった潤くんが
部屋のインターフォンを鳴らすまで
一心不乱に踊り続けていた。
微かに届いた電子音に気がついたのは
実際には潤くんがかなり長い間
呼び出していた後だった。
M:「智さん!智さんいるんでしょ?
開けて!」
焦ったような潤くんの声に驚きながらも
ドアを開けると凄い勢いで
潤くんが入って来た。
後ろ手で扉に鍵をかけると
そのまま僕のことを抱きしめた。
「潤くん?どうしたの?」
M:「『どうしたの?』じゃないよ。
グループトークに既読着かないし、
メールしても返信ないし、
電話にでもでないし…。
心配になって来たけどいくら
インターフォン押しても出ないし…。
何でもない振りして共連れで
中に入ってきて…。
本当に心配したんだから!」
潤くんの勢いに圧されるように
僕はとりあえず謝った。
「ごめん…ツアーの振り、
確認するのに夢中になってて…。
気がつかなかった」
M:「まったく…、心配させんなよ…。
でも…無事で良かった!」
そう言うとようやく松潤が笑った。