• テキストサイズ

しあわせはここにある【気象系BL小説】

第18章 Will never let you go…


松本side


智さんが家に戻って来て、
そんなに経ってないある日。

チーフマネージャーから
引き払った例のマンションの
代わりの部屋の契約が終わったと
聞かされた。

そして俺たちの居ない間に
チーフ立ち会いで
あの人のマンションにあった荷物が
運び出され、設置も終わったらしい。


これで完全に今までの日常が
戻って来たと思ったんだ。

でもそうじゃなかった。

結局、俺たちは誰も智さんに薬のことは
聞けずにいた。

そのかわり、その日、家にいる人が
なんとなく智さんを誘って
一緒に寝るようになった。

智さんの不安を解消するためって
俺たちは思ってたけど、
実際には自分たちの不安を
取り除きたかったのかもしれない。

俺たちが見ている限り、
一緒に眠る夜は薬を服用していないと思う。

ついでにいうと、
一緒に寝るって言っても文字通り
一緒に寝るだけの至って清い状態が
続いている。

俺だけかと思ったけど、
こっそり聞いたら雅紀も和も、
そして翔さんさえも同じ状態らしい。

少しでもそういったことをしようとすると
まるで意識を失うように
コテっと寝てしまう。

まるでなにかから逃げているような
その様子に心配になる。

今日は新居訪問と嘯いて
新しいマンションにお邪魔した。

隣で寝ている智さん。

寝顔は穏やかに見えるのに時々魘されてる。

智さん、どうしたら本当の意味で
元に戻れるんだろう?

俺たちはそれぞれ道に迷っているような
感覚だった。

/ 1081ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp