第18章 Will never let you go…
松本side
ガレージに車を停めながらダッシュで
玄関を駆け抜ける雅紀の背中をみた。
まぁ気持ちは十分すぎるぐらいに
判るけどね?
俺の車の前にニノの車が角を曲がったのが
見えてたからここは落ち着くことにした。
抱きつくのなんて
あとでいくらでも出来る。
それよりも…夕飯、どうしようかな?
もうなんか食べちゃったかな?
ってか冷蔵庫になに入れてたっけ?
そんなことを考えながら玄関をくぐる。
やっぱりそこに二人はいなくて…。
脱ぎ散らかされた二人の靴を整えると
目に入るあの人の靴。
それを見て実感する。
帰って来たんだね…。
やっと。
まーから聞いた薬のことは
やっぱり心配なんだ。
同じものかは判らないけど
過去に飲んだものは
副作用で吐き気があった。
もしも今回、俺が飲んだのと同じものを
飲んでいるとしたらきっと眠れても
それ以外に不調が出てるだろうなぁ。
ここのところ5人の仕事の時ですら
最低限の接触しか出来てなかったから。
すごく気になる。
とにかく顔を見たいと思って
リビングに向かう。
いつもの階段がすごく長く感じるのは
それだけ早く逢いたいから。
リビングでみた風景はある意味、予想通り。
智さんに抱きつくまーと
それにクレームを入れてる和。
間に挟まれた智さんは
少し困った顔をしてるけど…。
嬉しいんだよね?
目がね、そう言ってるもん。
そろそろ解放してあげないとと思って
声をかけたけど離れない二人。
智さんの口から「ただいま」って
一言を聞いた瞬間、
二人がさらにギュって抱きついた。
それを見て俺も翔さんも3人を包み込み。
やっと…
元に戻るんだって思った瞬間だった。