第4章 悪い夢 side O
みんなの声が聴こえる。
でも、姿は見えない。
白い霧のようなものに囲まれて
周りはほとんど見えない。
どこだろうと思って探そうとするけど…
なぜか足が動かない。
なんで?と思って自分を見る。
足に鎖のようなものが繋がってて
その先には昔、映画で見たような
鉄球がついていた。
そのせいで動けない。
ならばと声を出そうとするけど…
声が出ない…。
みんながいなくなっちゃう!
焦れば焦るほどみんなの声が遠くなる……。
やだ…行かないで…。
動かせる手を伸ばす…。
虚空を掴む。
はずだったのに…。
手になにかが触れて暖かいものに包まれた。
え?そのリアルな感覚に驚く。
そして…
目の前が光に包まれたような気がした。
目を開けると…
心配そうに俺の顔を覗き込む
4つの顔があった…。
状況が呑み込めなくて瞬きする俺。
A:「よかった…リーダー、目覚ました」
相葉ちゃんの声。
涙が混じってる気がした。
M:「俺、先生呼んでくる」
足音が遠ざかる。
N:「気がつきましたか?
楽屋で倒れたの覚えてますか?」
ニノにそう言われて…記憶がつながる。
そうだぁ。
収録でお茶を飲んでその後から
体中がおかしい感じになって…。
首を動かすと俺の手を握ったまま、
翔ちゃんが怒ったような…
辛そうな複雑な表情を浮かべたまま
俺を見つめていた。