第4章 悪い夢 side O
精神安定剤への依存は進む。
薬を飲めば眠れるし、仕事中に
フラッシュバックが起こることもない。
多少、ボーッとしている時間は増えたけど
以前から【置物】なんて言われることも
あったから周囲もさほど気にしなかった。
番組中にメンバーにつっこまれることが
むしろお約束にさえなっていた。
ある日番組でゲストのおすすめの
ハーブティーを飲むという企画があった。
飲んだとき少しクセがあるなって思ったけど
その時は特になにも感じなかった。
ただ…収録が進むにつれて
徐々に気分が悪くなってきた。
頭もガンガンする。
ニノが何かに気付いたのかカメラが
他の人を抜いてるときに声をかけてきた。
N:「顔色、かなり悪いですよ。
大丈夫ですか?」
実はかなり辛かったけど
収録も終わりに差し掛かり
間もなく終わるのがわかっていたから…。
「大丈夫、風邪でもひいたかな?」
なんて言ってその場はなんとか誤魔化した。
ようやく収録も終わり、
なんとか楽屋に戻る。
どうしたんだろう?
あんまりに酷い顔をしてたのか
みんなが心配そうな視線を投げてくる。
気持ち悪くなってきて
トイレに行こうと思って立ち上がった。
瞬間、世界が回る。
墜落する感覚。
そのまま床に崩れ落ち意識を手離した。