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しあわせはここにある【気象系BL小説】

第18章 Will never let you go…


大野side


手の中のシートに目を落とす。

まだ、何粒か残ってる。

ペナルティーの1つなんだと思う。
5人のレギュラー以外はほとんど仕事がなくて
ホテルに一日籠ってる日々が続いてる。

最近は多少の外出はマネージャー同伴なら
許されるようになった。

でも…皆が仕事してるのに
自分だけ出歩くのも憚られて結局殆どの時間を
部屋のなかで過ごしていた。

そんな生活だから腹が減ることもなく
もともと食事に頓着しない質だから
毎日軽い食事で過ごすことが多くなった。

その食事ですら食べてすぐ気持ち悪くなって
戻してしまうことが多くなった。

多分こいつのせいだろうなぁ。

手元のシートをそっと握りしめる。

昔、自分のやったことの重大さを覚えてるから
量はキチンと守ってる。

それでも副作用は出てくるんだと思う。

レギュラー収録時が一番キツいかも知れない。

収録中は気力と集中力で乗りきれるけど
楽屋に帰ればそんなわけにも行かず
バレたくない一心でロケ弁を
無理矢理口に詰め込んでた。

そして、しばらくしてトイレに駆け込む。

こんなことを繰り返してたら食べるのさえも
怖くなった。

逃げるために貰ったクスリで
逆に追い詰められてる自分。

すごく滑稽だと思った。

翔くん達のところに戻りたい…。

誰に伝えていいかわからないまま
今夜も小さな白い粒を口に含んだ。

今夜こそぐっすり眠れるようにと祈りながら。

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