第18章 Will never let you go…
櫻井side
いつもよりもだいぶ早く着いたスタジオ。
タレントクロークを抜けて楽屋に向かう。
馴染みのスタッフさんから
『みなさん今日は早いんですね?』と
声をかけられた。
まぁ、4人揃って同じ時間に入れば
そう言われるか?
そう思いながら、足早に楽屋に向かう。
いつもの場所のいつもの楽屋。
そのままドアを開ける。
だれもいないと思った楽屋には
電気が煌々とついていて中に人がいた。
「え?智くん?」
思わず出た声に雑誌に落ちていた視線が
こちらに向けられる。
O:「あ、翔ちゃん、みんな…おはよ」
短くそう言ってまた雑誌に視線がおちた。
らしくない…。
立ち尽くす俺の横を
ニノがするりと抜けて行く。
N:「おじさん、おはよ。
はやいじゃん、今日。
どうしたの?」
O:「んー?
なんかさ、マネージャーが
時間間違えたの。
だから早く着いちゃった。
で、雑誌読んでた」
ニノがそのまま智くんの隣に座る。
相変わらずこの辺は自然すぎて驚くよ。
N:「ふーん、ねぇ、オフの間、
なにしてたの?
私、ゲームの間に何度も
LINEしたのに…。
既読さえつかないし」
O:「ふふふ、ごめんねぇ。
なんか筆が乗っちゃってさ。
ひたすら描いてそのまま寝てって感じで
気がつけばオフ、終わってた。
スマホの充電切れてたの
気がつかなくてさ。
ごめんね?みんなも」
そういってふわっと笑う顔は
いつもの智くんのものだった。