第18章 Will never let you go…
大野side
ニュースが終わって
寝なきゃって思うけど一日中ホテルで
なにもしなかった自分に訪れる睡魔は
もはやなくて…。
ピルケースの中から白い錠剤を取り出す。
今日の昼間…
往診の形で来てもらったお医者さん。
以前共演した大物俳優さんから
紹介してもらってた人。
ドラマの撮影の時にインタビューか
なんかでそんな話になって…。
撮影後に紹介してもらった人だった。
その人に眠れないと伝えて
以前服用していた薬を処方してもらった。
ダメなのはわかってるけど…。
眠れないよりはマシだと自分に言い訳する。
お医者さんはあっけないほど簡単に
錠剤のシートを置いて行ってくれた。
医:「大野さん、普段から
ホテル住まいなんですか?
やっぱり家事とか
めんどくさいですもんね?
その点ホテルは楽ですよね?
…これ、電話でおっしゃってた
薬です。
また何かあれば遠慮なく
ご連絡ください。
それにしても芸能界の方は
大変なんですね?
多いんですよ、処方希望される方」
言うだけ言うと帰って行った。
処方を希望する人間が多いことに
なんだか安心したおいらは
罪悪感を捨ててその薬を口に含んだ。
これで眠れる。
次に起きた時は朝になってる。
…みんなに逢える。
我ながら勝手だと思う。
でも離れてる間…寒くて仕方なかった。
その寒さがみんなに逢えば
きっとなくなるから…。
それだけを思って瞼を閉じた。